アンモナイト・ギャラリーでは、阿部健二による個展「家遊人 MONO語り」を開催いたします。本展は、当ギャラリーでの3回目の個展となり、阿部氏がこれまで取り組んできた「家遊人(うちゆうじん)」シリーズの新たな展開を紹介するものです。
阿部氏は、暮らしの中にある小さな遊びや想像の瞬間をモチーフに、日常と創造のあいだに生まれる感覚を作品として表現しています。前回の「家遊人暮らし」では、生活の中に潜む豊かさや、ものとの関わりをテーマに制作しましたが、本展ではその世界がさらに広がり、家遊人たちは釣りや食事といったささやかな行為から、月面や海底、地底へと冒険の旅を続けます。それは、現実と空想を行き来しながら、暮らしの中に潜む創造の芽を見つめ直す試みでもあります。
本展の作品群は、日本の伝統的な画材や技法を用いながら、平面と立体を往還する独自の造形世界を構成しています。もの(MONO)と語り合うように生まれた作品の数々は、静かなユーモアとともに、私たちの身近な日常を新たな視点で捉え直すきっかけを与えてくれます。どうぞご高覧のうえ、「家遊人」という架空の存在が描き出す想像と生活の物語をお楽しみください。



